レバノン旅行記 首都ベイルート

レバノンはシリアとイスラエル、そして地中海に囲まれた国です。

私はバックパッカーとして、ユーラシア大陸横断旅行中に訪れました。
シリアも好きな国ですが、同じくらいレバノンも好きな国です。
イスラム教のイメージが強いかもしれませんが、人口の30%以上はキリスト教徒です。

見どころとしては、世界遺産バールベックやビブロスティルスなどのローマ遺跡などの観光地があります。

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国旗の真ん中にはレバノン杉が描かれています。
レバノンのシンボルで、神殿や船舶の建材とされたことから、不滅と寛容を表しているそうです。

レバノンの場所はこちら

面積は10,452km²で、岐阜県と同じくらいの小さな国です。
シリアのホムスから陸路で入りました。
ちなみにビザは国境で取れました。

レバノンの歴史

レバノン周辺はフェニキア人の古代文明の拠点となっていたそうです。
その後、アレクサンドロス大王のマケドニア王国、古代ローマ帝国の支配下となっていきます。
そのため、古代ローマ遺跡が多く残っています。

7世紀ごろにイスラム圏となり、ウマイヤ朝、アッバース朝、マルムーク朝等の支配を受けた後、オスマントルコ帝国の支配下となりました。

第一次世界大戦後、フランスの統治を受けることとなりました。
そして、1943年に独立しました。
独立後は金融、観光分野で経済発展し、中東のパリと呼ばれるほどのリゾート地だったそうです。

中東戦争により、レバノンにパレスチナ難民が流入、PLO(パレスチナ解放機構)がレバノン南部を拠点とするなど、宗教間の微妙なバランスが崩れ、1975年に内戦が勃発しました。
その後、イスラエルがレバノン南部に侵攻するなど、他国の干渉もあり内戦が続きます。
ようやく内戦が終わったのが1990年。
15年間にわたる内戦の跡が町中に残っています。

現在のレバノンは、過激派のヒズボラや、隣国シリアでのISIL(イスラム国)の影響により不安定な状態です。
外務省 海外安全ホームページによると国境近くの一部地域では「退避勧告」が出ており、その他の地域も「渡航延期」、「当行の是非の検討」がすすめられています。

私が訪れた2002年は、イスラエルとの国境付近などではやや緊張がありましたが、そこまで危険ではありませんでした。
地中海沿いだからか、明るく楽しい人たちが多かったことが心に残っています。

首都ベイルート観光

ベイルートは、商業、金融の中心地で、約180万人が住んでいる地中海に面した町です。

地中海の風景

私が訪れた4月は花が咲いててきれいでした。
地中海の青と花の黄色がとても映えます。
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そして地中海の浜辺を散歩するのもいい感じです。
レバノンのイメージも変わるのではないでしょうか?
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海沿いに鳩の岩と呼ばれる2つの奇岩があります。
大きな岩は高さ22m、幅15mあり、下のほうに穴が開いていてアーチ形をしてます。
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地中海に映えて、けっこうきれいです。
鳩の岩の名前の由来は、伝書鳩のレースが行われていたからという説、渡り鳩の中継地だからという説、岩の形が鳩に似ているからという説など、さまざまな説が存在するそうです。
ベイルートの中では人気の観光スポットです。
スキューバダイビングのポイントにもなっているそうです。
私はダイビングインストラクターだったりもしましたが、レバノンを訪れた当時はまったくダイビングをしたことがなく、興味もなかったのでここでは潜っていません。

ローマ遺跡

ベイルートの町中には、ローマ遺跡も多数あります。
遺跡があるのが、日常の風景の一部になっています。
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歴史と現代が融合している姿があります。
ただ、町を開発しようとすると、ゴロゴロ遺跡が出てくるので、保存すべきか開発すべきかはけっこう議論を呼ぶそうです。

内戦の傷跡

レバノンの歴史で触れましたが、レバノンは15年に及ぶ内戦がありました。
内戦の傷跡は町中で見ることができます。
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この建物にも銃弾の跡が無数にあります。
このようにレバノンの建築物には、銃痕が刻まれているものが多くあります。

町並み

とはいえ、すべての建物に内戦の傷跡があるわけではありません。
当たり前ですが、新しい建物もあります。
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中東のパリと呼ばれるのもわかる気がします。

このようにベイルートは、地中海の美しさ、歴史を感じるローマ遺跡、悲しい内戦の記憶、現代の人が作る新しい町並みが融合した町です。
現在、政情が不安定なため、気軽に旅行に行けるわけではありません。
早く平和が戻り、この美しい町に気軽に行ける日が来てほしいと願います。

世界遺産バールベックの様子はこちら

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